当院のアトピー性皮膚炎治療方針

当院では、アトピー性皮膚炎の患者様の治療では年齢を意識して診療にあたっております。

 

1)0歳から2歳まで:湿疹をしっかり治療します。湿疹治療後の再発を減らすためにスキンケアも行います。食物アレルギー発症にも注意しながら経過を拝見します。

 

2)2歳から12歳まで:この年齢層が通常、アトピー性皮膚炎として治療を受けている年齢層だと思います。外用療法のほか、とびひ(黄色ブドウ球菌感染症)、水いぼ(伝染性軟属腫)、ヘルペス(カポジ水痘様発疹症)などの合併症にも注意しながら診療します。塗る治療があまり好きでないお子さんとも向き合っていきます。

 

3)12歳(思春期頃)から成人まで:何割かの患者さんは皮疹が落ち着き、通院もあまりしないで済むようになります。しかし、残りの方は再発のために外用を中止できない状態が続きます。この年齢層ではほぼすべての治療法が受けられる年齢ですので、いつ何を使うかが問題になってきます。

 

<<移行期支援について>>

こどもから大人の医療への移行を円滑にするために、積極的に医療側が関わり、診療面だけでなく、学業、就職などの社会性の獲得までを含めて支援すること、これが移行支援です。当院ではアトピー性皮膚炎の場合ですと、外用療法の施術者が保護者から本人にかわる、一人暮らしを始めたので、通院計画、外用実施も全部ひとりで行うことが重荷となる、などの問題を支援していきます。

 

次回から一つ一つ解説していきます。