当院のアトピー性皮膚炎治療方針その3(2歳から12歳まで)

当院では、アトピー性皮膚炎の患者様の治療では年齢を意識して診療にあたっております。今回は2歳から12歳までの治療方針に触れます。

 

この年齢層が通常、アトピー性皮膚炎として治療を受けているお子さんが最も多い年齢層だと思います。症状としては、乾燥と炎症(湿疹)が入り交じっており、治療をどこで止めてよいかわかりにくく、また治療を止めるとすぐに再発するのでゴールがわかりにくいのも悩みの種です。

 

症状もかなり年齢に特徴的なものが生じてきます。乳児期の症状が顔面主体であったのに対し、この時期には首回り、脇の下、肘、膝などの関節の内側などに繰り返し皮疹が生じ、そうはをくりかえすことにより皮膚の厚さが増してきます(苔癬化)。

 

このような症状がでる頃には、掻き癖がついてしまい、夜の睡眠も浅くなってしまいます。

 

それではどうすればよいでしょうか?

 

それはずばり、そうなる前に診断して、中・長期の治療計画を立てることです。つまり、第1に典型的な症状がでる前に、将来アトピー性皮膚炎になりそうかどうかの説明を受けることです。100%なるかどうかまではお答えできないかもしれませんが、可能性についての根拠はいくつかお話できるかと思います。

 

第2は、治療計画に沿っておうちで治療ができているかを、通院しながら確認することです。

 

診断や治療計画は、近隣の総合病院で指導していただいても、病診連携のしくみを利用してお近くのクリニックへの通院が可能です。午後、夕方、土曜日の通院を希望される場合もクリニックがお役に立ちます。

 

どのくらい治ったら、ステロイド薬を減したらよいかをこまめにチェックさせていただきます。保湿剤の使い方も同様で、どういうところにどの程度塗ったら良いかを保護者の方と一緒に決めていきます。

 

外用のテクニックなどは後日説明する機会があると思います。次回は、「当院のアトピー性皮膚炎治療方針その3(2歳から12歳まで)-2、合併症について」です。