牛肉アレルギーと花粉フルーツ症候群の違い ― α-Gal症候群(後編)―

以前の記事でご紹介した花粉‐フルーツ症候群(口腔アレルギー症候群)も、「本来は関係のないもの同士のアレルギーがつながる」という点で似ています。

しかし、両者にはいくつか大きな違いがあります。

まず症状が出るタイミングです。
花粉‐フルーツ症候群では、果物を食べると数分以内に口の中のかゆみや違和感が出ることが多いのが特徴です。

一方、α-Gal症候群では食後3〜6時間以上たってから症状が出る遅延型の食物アレルギーです。
夕食で焼肉を食べ、その夜中に蕁麻疹が出るといったパターンもあります。

次に原因となるアレルゲンです。

花粉‐フルーツ症候群
→ 花粉と似たタンパク質を持つ果物や野菜

α-Gal症候群
→ マダニに咬まれた後にできる糖質(α-Gal)

つまり、原因となる物質の種類自体が異なるのです。

外来では、普通の食物アレルギーと異なり、次のような相談を受けることがあります。

「牛肉を食べた日の夜だけ蕁麻疹が出る」
焼肉やすき焼きを食べた日の深夜に蕁麻疹が出るというケースです。食後すぐではないため、最初は食物アレルギーと気づかないこともあります。

「原因不明のアナフィラキシー」
夜間に突然蕁麻疹や呼吸苦が出て救急受診し、後から夕食の肉料理との関連が疑われる場合があります。

「山や草むらに行った後から体質が変わった」
アウトドア活動の後にマダニに咬まれ、その後から肉で症状が出るようになったという経過で気づくケースもあります。

原因のはっきりしない蕁麻疹やアレルギー症状が続く場合、食事内容と症状の時間関係を振り返ることが、診断のヒントになることがあります。

また、山林や草地などマダニが多い地域へ旅行やレジャーに行く際は、咬まれないような服装や虫よけ対策も重要です。

「牛肉を食べたあと数時間してから蕁麻疹が出る」など気になる症状がある場合は、医療機関で相談することをおすすめします。

当院ブログ「花粉‐フルーツ症候群」の記事はこちら秋のフルーツによる食物アレルギー   ― 口腔アレルギー症候群(OAS)のご紹介 ―

文責 新関寛徳(院長)

最終履歴 2026年3月15日